羽毛布団洗濯
事前に知っておきたいことチェック
洗える羽毛布団か、洗えないかを知る上でいくつかのチェックポイントがあります。
1.素材について
洗濯表示タグを見ると側生地(表と裏で違いがあるものも)と、中綿であるダウンとフェザーについての表示があります。
側生地では、主に「綿」「ポリエステル/アクリルなどの化繊」「シルク(絹)」があります。綿・ポリエステル/アクリルなどの化繊は、洗濯機で洗える素材です。シルクは、弱アルカリ性の洗剤ではダメージを与える可能性があるためお勧めできません。
中綿は、羽毛布団の場合ダウンとフェザーの割合が表示してあります。ダウンもフェザーも洗うことができます。
※必ず洗濯表示タグの洗濯マークを確認しましょう。「洗濯できない」のマーク表示がある場合は、洗濯できません。ただし、洗濯できる物もありますので、ご相談ください。
2.形状について
羽毛布団は、羽毛が布団全体になるべく均一に保たれるように側生地とマチ布を使った立体キルト構造になっている場合がほとんどです。
そのほか立体キルトが2層構造になっているものや、肌掛け布団などの薄手のものはキルトのみのものもあります。立体キルト構造のものでマス目(ブロック)がつながっているものは、洗濯により中のダウンがとなりのマス目に移動して均一性が崩れてしまう場合があります。
エリまわりなどのデザインで縁取りしてあるものや表地に刺しゅうのしてあるものは、その素材や形状に注意する必要があります。
3.経年劣化について
羽毛布団はながくつかえるものですので、特にエリまわりなどの側生地が擦り切れてしまう場合があります。側生地に穴が開いていると洗濯・乾燥時にダウンが出てきてしまします。また、弱った側生地が洗濯による強い力で裂けてしまいダウンが出てきてしまうこともあります。ですので、経年劣化で側生地が傷んだものはお勧めできません。経年劣化で洗濯・乾燥できるかどうかは、実際の羽毛布団を拝見させていただいてご案内することができますので、ご相談ください。
4.羽毛布団の汚れを確認しましょう
エリまわりの汗皮脂汚れが多く見かけられます。汗皮脂汚れは、40℃前後の温水と適切な洗剤を使用し適切な洗濯時間を設定することにより洗い落とすことができます。
布団の天日干しは、汗の水分を乾燥することはできますが、皮脂分が残ります。皮脂分が蓄積するとべたつき、黄色く変色してきます。ひとシーズンごとに洗濯することをお勧めします。皮脂汚れが残ったまま翌シーズンに持ち越し使い続けると、皮脂汚れが酸化して黄ばんだ色素が取れなくなります。
その他の付着してしまった汚れについては、ご相談ください。洗濯前の事前処理により取れる場合もあります。
5.洗濯表示タグを確認しましょう
各種マークで、洗濯方法・乾燥方法など洗濯にかかわる注意事項が表示されていますので、必ず確認してください。
また、注意事項として文章による説明が表記されていることもあります。よく読むと各種マークで表示できない案内や洗剤の選び方、乾燥方法などが明記されていますので、確認が必要です。
ちなみに、下記の洗濯表示タグが付いた羽毛布団は「洗濯ができない」の表示がありますが、組成と側生地の経年劣化の具合を確認の上、きれいに洗濯することができました。
洗濯表示タグが見えなくなってしまったものも、打ち直しをしたものなど洗濯表示タグがないものも当店でおたずねいただければ、わかる範囲でご案内いたします。
洗濯しましょう
洗濯機は、横ドラム式で密閉型を選びます。ダウンは空気をたくさん含んでいます。また、側生地もダウンやフェザーが生地の隙間や縫い目から飛び出さないように、そして、ダウンが十分に膨らんだ状態を保てるように気密性の高い構造になっています。そのため、水の中では浮いてしまいますので、タテ型洗濯槽の一般的な家庭の洗濯機では、うち蓋でしっかり飛び出ないようにした上でないと洗うことができません。飛び出してしまうと、脱水時などの回転で羽毛布団自体を傷つけてしまいます。
1.洗濯機のサイズ
横ドラム式で密閉型の洗濯機のサイズは洗濯する羽毛布団のサイズや枚数で選びます。一般的に洗濯機のサイズは、10~12kgでシングルサイズの羽毛布団1枚(ダウン・フェザーの量が1~1.4kg)、15~17kgで2枚、25~27kgで3枚まとめて洗うことができます。これらの目安の量を洗濯機に入れるとドラムがいっぱいになってしまいますが、洗濯時にはドラム内で羽毛布団がよく動ききれいに洗うことができます。
ダブルサイズは、シングルサイズの1.5~2倍として洗濯機サイズを決定します。
2.洗剤を選ぶ
羽毛布団の汚れはエリまわりをはじめとした汗皮脂汚れが主なものですので、衣類の洗濯に使う弱アルカリ性の洗剤をお勧めします。弊社では、東みずほ台店の有人コインランドリーでもコインランドリー式クリーニングの竹間沢店でも弱アルカリ性の洗剤を使用しています。
3.洗濯時の水温
皮脂汚れは、体温か少し高めの水温で洗うと油脂分が効率よく溶けだし、洗剤の主成分である界面活性剤に取り込まれてよく落ちるといわれています。洗剤自体も温水のほうがよく溶け込みます。特に冬には水道水の温度が下がりますので、皮脂汚れが溶け出しにくくなります。
当店では、洗濯時、時期を問わず給水温を40℃~45℃に設定することで理想的な洗濯をしています。
たんぱく質の汚れは、50℃以上の高い水温で熱変性を起こし繊維に固着して落ちなくなってしまします。
血液の主成分はたんぱく質なので高い温水では洗わないようにしましょう。また、血液は放置すると凝固して一般的な洗剤では取れなくなります。
汗皮脂汚れ以外の汚れは、当店でご相談ください。竹間沢店では、それらの汚れに合う事前処理や洗濯方法を取ることができることがあります。
4.柔軟剤
柔軟剤もふんわりとした仕上がりと静電気抑制のためにお勧めします。ただし、アレルギーのある方には注意が必要です。特ににおいの強い柔軟剤によって体調不良をひきおこすこともあると言われていますので注意しましょう。
当店では、においの少ない柔軟剤を使用していますが、気になる方は、お申し出ください。
当店では、横ドラム式の業務用洗濯機を使用しています。洗濯機のサイズは、容量10~12kg、15~17kg、27kgがあります。
水温は40℃~45℃で洗いますので、皮脂も溶け出しやすい温度です。当店の洗濯時の水温は時期に関係なくこの範囲の温度を保っています。
横ドラム式ですので、理想的なたたき洗いができます。そのためには、ドラムに洗濯物を詰めすぎないように洗濯物の量を管理しています。
また、洗濯時間は5分~15分、場合によっては、20分~30分と調整して、たたき洗いによる物理的な力が洗濯物に大きなダメージを与えることなく汚れをきれいに落とせるように調整しています。
コインランドリー、コインランドリー式クリーニングでのおすすめは、まとめ洗いです。毛布だけでなく、寝具のいろいろな組み合わせで、各機器の容量に合わせて最適に洗濯や乾燥ができる範囲でいっぱいまで入れると割安にクリーニングすることができます。
お勧めの組み合わせは、羽毛布団とアクリル/ポリエステル毛布との組み合わせです。洗濯時の毛布の起毛のブラッシング効果で汗皮脂汚れが驚くほどきれいになり、来年のシーズンまで気持ちよく仕舞うことができます。