毛布

事前に知っておきたいことチェック


1.毛布には、アクリル・ポリエステルなどの化繊、綿毛布、ウールなど、色々な種類があります

繊維素材や、デザイン、縫製の仕方によって洗えないものもあり注意が必要です。  繊維素材では、ウール・カシミヤ等の獣毛の毛布は水にぬれた状態で揉み洗いすることによりフェルト化を起こし毛布全体が縮んでしまいます。また硬くなり柔らかな高級感のある肌触りがなくなってしまいます。委縮は10%以上になることもあり200㎝の長さがあったものが180㎝以下に縮んでしまうこともあります。また、委縮は洗濯のたびに進みますのでその都度小さくなります。
 中綿が入ったタイプで、キルティングのされていないタイプのものは、中綿がよれ固まりになってしますことがあります。中綿にウールが使用されていると縮んで毛布全体がつれてしまいます。
  縁取りの素材により毛布の周りが縮む場合もあります。


2.毛布の汚れを確認しましょう

 洗濯機による洗濯で取れない汚れもあります。その中には、事前処理をすることで取れるものも。どんな汚れなのかを把握することで洗濯前に部分処理をしてよりきれいにすることができます。特に血液汚れなどは洗濯前に分解酵素剤を塗布し保温することで効果があります。
 汗皮脂汚れは、洗濯で洗い落とすことができますが、汚れ方により、洗剤・水温・洗濯時間を適切に選ばないと汚れが残ります。また、汚れが時間経過により黄ばんだ汚れなど、洗濯では取ることができないものもあります。


3.洗濯タグを確認しましょう

 毛布にも必ず洗濯方法を表示するタグが付いています。各種マークで、洗濯方法・乾燥方法など洗濯にかかわる注意事項が表示されていますので、必ず確認してください。
 文字による素材表示も重要です。アクリル・ポリエステル100%は、基本的に洗うことができます。綿100%の綿毛布も洗えますが、縮む場合があります。中綿が入っているものは、「中綿」・「詰め物」などの項目にポリエステル・羊毛(ウール)などの表示があります。
 また、注意事項として文章による説明が表記されていることもあります。よく読むと各種マークで表示できない案内や洗剤の選び方、乾燥方法などが明記されていますので、確認が必要です。
 洗濯表示タグが見えなくなってしまったものも、当店でおたずねいただければ、わかる範囲でご案内いたします。


4.経年劣化による傷みについて

 長年のご利用により縁取りが擦り切れていたりほつれなどの傷みのあるものでも、洗濯することができます。きれいに洗ってより長く気持ちよく使うことができます。ただし、経年劣化で洗濯・乾燥により傷みが発生したり、傷んだ部分が広がったりすることがあります。洗濯物に発生する可能性のあるこれらの傷みをご了解していただいた上で、洗濯・乾燥をご依頼いただくことはできますので、ぜひご利用ください。



洗濯しましょう

汚れを落とす洗濯の要素は、「洗剤・水温・物理的な力」です。どの要素が不足しても汚れは落ちません。

1.洗剤を選ぶ

 まずは、毛布についている洗濯表示タグを確認しましょう。「中性洗剤」の表示があるものは、毛布の素材がウールの場合がありますが、ウールは洗えません。 素材が、アクリルやポリエステル(中綿入りの場合、中綿も含めて)または綿毛布の場合は、弱アルカリ性の洗剤で洗うことができます。洗濯用洗剤の多くは弱アルカリ性の洗剤です。汚れの多くが酸性で中和するため弱アルカリ性の洗剤がよいといわれています。
 毛布は汗・皮脂の汚れが多く、皮脂汚れには弱アルカリ性の洗剤が適しています。当店では業務用の弱アルカリ性の洗剤を使っています。強い汚れには、クリーニング店でワイシャツ等を洗う強力な専用洗剤を追加することもあります。


2.洗濯時の水温

 皮脂汚れは、体温か少し高めの水温で洗うと油脂分が効率よく溶けだし、洗剤の主成分である界面活性剤に取り込まれてよく落ちるといわれています。家庭の洗濯で、おふろの残り湯を使うメリットは水道水よりも高い水温で洗えることなのです。
特に冬には水道水の温度が下がりますので、皮脂汚れが溶け出しにくくなります。
 当店では、洗濯時、時期を問わず給水温を40℃~45℃に設定することで理想的な洗濯をしています。


3.物理的な力

 主に洗濯機のかくはんなどによる物理的な力は、繊維表面から汚れをはぎ取る有効な方法です。
洗濯機の形にはいくつかのタイプがあります。ドラム型、タテ型、2槽型などタイプにより物理的な力の加わり方が違います。一般的にドラム型のたたき洗いは、タテ型のかくはんより強い力が加わるといわれています。
昔ながらの2槽式は洗濯槽が細いうえパスセーターが相対的に大きくよく回るので、より強いかくはんができ泥汚れなどには適しています。
 なお、洗剤の主成分は界面活性剤です。界面活性剤には汚れを繊維表面から引き剥がす力はほとんどありません。
界面活性剤の凄いところは、ひとたび繊維表面から離れた汚れの表面に素早く付着し、再度繊維表面に付くのを強力に防ぐことにあります。物理的な力ではぎ取った汚れに界面活性剤が素早く付着することで、洗浄効果が上がります。


4.柔軟剤

 柔軟剤もふんわりとした仕上がりと静電気抑制のためにお勧めします。ただし、アレルギーのある方には注意が必要です。特ににおいの強い柔軟剤によって体調不良をひきおこすこともあると言われていますので注意しましょう。
当店では、においの少ない柔軟剤を使用していますが、気になる方は、お申し出ください。



まとめ

 当店では、横ドラム式の業務用洗濯機を使用しています。洗濯機のサイズは、容量10~12kg、15~17kg、27kgがあります。冬用の2枚合せアクリル・ポリエステル毛布のシングルサイズ(140cm x 200cm)で、2枚~5枚までまとめて洗うことができます。
 水温は40℃~45℃で洗いますので、皮脂も溶け出しやすい温度です。当店の洗濯時の水温は時期に関係なくこの範囲の温度を保っています。
横ドラム式ですので、理想的なたたき洗いができます。そのためには、ドラムに洗濯物を詰めすぎないように洗濯物の量を管理しています。
また、洗濯時間は5分~15分、場合によっては、20分~30分と調整して、たたき洗いによる物理的な力が洗濯物に大きなダメージを与えることなく汚れをきれいに落とせるように調整しています。

 コインランドリー、コインランドリー式クリーニングでのおすすめは、まとめ洗いです。毛布だけでなく、寝具のいろいろな組み合わせで、各機器の容量に合わせて最適に洗濯や乾燥ができる範囲でいっぱいまで入れると割安にクリーニングすることができます。
 例えば、夏物寝具の場合、肌掛け布団Sサイズ2枚 + 綿毛布Sサイズ2枚 + 敷パッドSサイズ2枚で、15kg洗濯機 ¥1,100円 + 25kg乾燥機68分 ¥1,700円 合計¥2,800円です。
肌掛け布団も綿毛布も敷パッドも、汗皮脂汚れが驚くほどきれいになり、来年のシーズンまで気持ちよく仕舞うことができます。