事前に知っておきたいことチェック
洗える敷き布団か、洗えないかを知る上でいくつかのチェックポイントがあります。
敷き布団は、素材もデザインも形状も多種多様です。いくつかの素材を組み合わせて作られているものも多くあります。
1.素材について
洗濯表示タグを見ると側生地(表と裏で違いがあるものも)と、中綿(詰め物)についての表示があります。
側生地では、主に「綿」「ポリエステル/アクリルなどの化繊」などがあります。綿・ポリエステル/アクリルなどの化繊は、洗濯機で洗える素材です。
中綿(詰め物)は、ポリエステル、羊毛(ウール)、ウレタンフォームが主なものです。ポリエステルは、洗濯機で水またはお湯で洗濯できます。
羊毛(ウール)は、縮んだり固くなるため洗えません。ポリエステル50%/羊毛(ウール)50%でも同じように縮んだり固なるため洗えません。ウレタンフォームは洗濯中に水を含むと大変重くなります。それが洗濯機のドラムの中で回転すると無理な力が加わり、裂けてしまいます。裂けてしまったウレタンフォームは中で動いてしまい戻すことができません。それらにより型崩れを起こしますので洗えません。
※必ず洗濯表示タグの洗濯マークを確認しましょう。「洗濯できない」のマーク表示がある場合は、基本的には洗濯できません。ただし、側生地や縫い合わせに経年劣化などの傷みがなく、素材と形状が確認できれば洗濯できる物もありますので、ご相談ください。
2.形状について
中綿(ポリエステル)が表裏の側生地としっかり縫い合わせ(キルティング)されているものが洗える敷き布団です。和布団のように縫い合わせ(キルティング)されていないものは洗濯機では洗えません。
中綿(ポリエステル)は、3層構造になっているものもあります。これは、寝心地をよくするため外側には柔らかくふっくらとしたポリエステル綿が使われ、中心には、敷き布団の形をしっかりと維持するための硬いポリエステル綿(固綿または芯綿などと呼ばれています)が使われています。
このタイプでは、表と裏の表面だけが縫い合わされて(キルティング)、形を維持するための芯綿がキルティングされていないことがあり、そのまま洗濯や、乾燥をすると芯綿がずれてしまい使えなくなりますので、注意が必要です。
側生地の縫い合わせがほつれていたり、擦り切れているなどの傷みも確認しましょう。
3.敷き布団の汚れを確認しましょう
敷き布団全体に汗・皮脂汚れが多く見かけられます。汗・皮脂汚れは、40℃前後の温水と適切な洗剤を使用し適切な洗濯時間を設定することにより洗い落とすことができます。皮脂汚れが残ったまま翌シーズンに持ち越し使い続けると、皮脂が酸化して黄ばんだ色素が取れなくなります。
その他の付着してしまったシミ汚れについては、ご相談ください。水溶性の汚れジミや汗・皮脂汚れは温水洗いをすることでほとんど取れますが、経年により黄ばんだ色素は取れないこともあります。また、血液などの付着は洗濯前の事前処理(酵素剤を使い脂分やタンパク質を分解)により取れる場合もあります。
湿気の上がる床や寝ている間に発散される水分で、敷きっぱなしにすると数日で敷布団の裏に黒い小さな点が発生します。これはカビによるもので洗濯では取ることができません。漂白することできれいになりますが、色物や柄物を使った側生地の敷布団には漂白剤を使うことができない場合もあります。
4.洗濯表示タグを確認しましょう
各種マークで、洗濯方法・乾燥方法など洗濯にかかわる注意事項が表示されていますので、必ず確認してください。
また、注意事項として文章による説明が表記されていることもあります。よく読むと各種マークで表示できない案内や洗剤の選び方、乾燥方法などが明記されていますので、確認が必要です。
敷き布団の場合は、水や温水で洗えない表示が多く見受けられます。素材に真綿(コットン)やウール、ウレタンフォームが使われている物は洗えませんが、表と裏の表面だけのキルティングが洗えない理由の場合は、ポリエステルの芯綿を表裏縫い合わせ仮止めすることで洗えるものもあります。
※仮止めは、あて布を使用したり縫い方を工夫したりする必要があり、敷布団によって対応が違いますので、弊社のコインランドリー式クリーニング」にお任せください。
※洗濯表示タグが見えなくなってしまったものも、当店でおたずねいただければ、わかる範囲でご案内いたします。キルティングの縫い目から、中綿の繊維が飛び出ているものは、中綿が羊毛(ウール)の可能性があります。
洗濯しましょう
洗濯機は、横ドラム式で密閉型を選びます。水の中では浮いてしまいますので、タテ型洗濯槽の一般的な家庭の洗濯機では、洗うことができません。
飛び出してしまうと、脱水時などの回転で敷き布団自体を傷つけてしまいます。
また、洗濯機に入れる前に中綿の偏りを防ぐため、丸めた上で数ヶ所縛ります。敷き布団の厚さや素材等々により縛り方や縛る強さがが変わりますので、注意が必要です。
1.洗濯機のサイズ
横ドラム式で密閉型の洗濯機のサイズは洗濯する敷き布団のサイズや枚数で選びます。一般的に洗濯機のサイズは、15~17kgでシングルサイズの敷き布団1枚、25~27kgで2枚まとめて洗うことができます。ダブルサイズは、シングルサイズの1.5~2倍として洗濯機サイズを決定します。
2.洗剤を選ぶ
敷き布団の汚れは汗・皮脂汚れが主なものですので、衣類の洗濯に使う弱アルカリ性の洗剤をお勧めします。弊社では、東みずほ台店のコインランドリーでも「コインランドリー式クリーニング」の竹間沢店でも弱アルカリ性の洗剤を使用しています。また、竹間沢店では、業務用液体洗剤と粉末状の2種類の洗剤を組み合わせ、洗浄力を強化しています。
3.洗濯時の水温
皮脂汚れは、体温か少し高めの水温で洗うと油脂分が効率よく溶けだし、洗剤の主成分である界面活性剤に取り込まれてよく落ちるといわれています。洗剤自体も温水のほうがよく溶け込みます。特に冬には水道水の温度が下がりますので、皮脂汚れが溶け出しにくく粉末洗剤も溶け込みにくくなります。
当店では、洗濯時、時期を問わず給水温を40℃~45℃に設定することで理想的な洗濯をしています。
なお、たんぱく質の汚れは、50℃以上の高い水温で熱変性を起こし繊維に固着して落ちなくなってしまします。血液の主成分はたんぱく質なので高い温水では洗わないようにしましょう。また、血液は放置すると凝固して一般的な洗剤では取れなくなります。汗皮脂汚れ以外の汚れは、当店でご相談ください。竹間沢店では、それらの汚れに合うタンパク質分解酵素材などによる事前処理や洗濯方法で、それらの汚れを取ることができることがあります。
4.柔軟剤
柔軟剤もふんわりとした仕上がりと静電気抑制のためにお勧めします。ただし、アレルギーのある方には注意が必要です。特ににおいの強い柔軟剤によって体調不良をひきおこすこともあると言われていますので注意しましょう。
当店では、においの少ない柔軟剤を使用していますが、気になる方は、お申し出ください。
まとめ
当店では、横ドラム式の業務用洗濯機を使用しています。洗濯機のサイズは、容量10~12kg、15~17kg、27kgがあります。水温は40℃~45℃で洗いますので、皮脂も溶け出しやすい温度です。当店の洗濯時の水温は時期に関係なくこの範囲の温度を保っています。横ドラム式ですので、理想的なたたき洗いができます。そのためには、ドラムに洗濯物を詰めすぎないように洗濯物の量を管理しています。また、竹間沢店の「コインランドリー式クリーニング」では、洗濯時間は5分~15分、場合によっては、20分~30分と調整して、たたき洗いによる物理的な力が洗濯物に大きなダメージを与えることなく汚れをきれいに落とせるように調整しています。
コインランドリー、コインランドリー式クリーニングでのおすすめは、まとめ洗いです。敷布団だけでなく、寝具のいろいろな組み合わせで、各機器の容量に合わせて最適に洗濯や乾燥ができる範囲でいっぱいまで入れると割安にクリーニングすることができます。お勧めの組み合わせは、敷布団とアクリル/ポリエステル毛布との組み合わせです。洗濯時の毛布の起毛のブラッシング効果で汗皮脂汚れが驚くほどきれいになります。